※50歳以上が対象になります
帯状疱疹は、水痘ウイルス(みずぼうそう)によって引き起こされる感染症です。このウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、後に免疫力が低下したり高齢化したりすると、ウイルスが再活性化して帯状疱疹を引き起こすことがあります。帯状疱疹の特徴的な症状は、皮膚の特定の部位に痛みを伴う水ぶくれ(疱疹)が発生することです。
症状と経過:
- 帯状疱疹は通常、体の片側の特定の皮膚領域に現れます。この領域は「皮膚神経範囲(dermatome)」と呼ばれます。痛みや発疹は通常、背中や腹部、胸部などで見られます。
- 最初の症状としては、しばしば痛みや燃えるような感覚が現れます。この痛みが先行することがあり、しばしば「前駆痛」と呼ばれます。
- その後、痛みが水ぶくれの形で皮膚に現れることがあります。これらの水ぶくれは液体が含まれた小さな膨らみで、時間が経つにつれて破裂してかさぶたが形成されます。
- 帯状疱疹の症状は一般的に数週間から数か月間続くことがあります。
合併症:
- 帯状疱疹の痛みはしばしば激しいもので、神経の炎症によるものです。この痛みは帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれ、帯状疱疹が治癒しても続くことがあります。
- 帯状疱疹の疱疹が目の近くに発生すると、角膜への感染が危険で、視力に影響を及ぼす可能性があります。
<帯状疱疹ワクチンの種類>
1 弱毒化生ワクチン「ビケン」
2 不活化ワクチン「シングリックス」
<予防効果>
1 弱毒化生ワクチン;ビケン
発症予防効果 約50%程度
帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症を3分の1。
予防効果 5年程度
※ビケンは生ワクチンといって弱毒化されてはいるものの病原性をわずかに残すため、免疫不全状態の方やステロイドなどの薬を内服中の方は接種していただくことができません。
2 不活化ワクチン;シングリックス
発症予防効果 50歳以上の人で約97%、70歳以上の人でも90%程度。
帯状疱疹後神経痛(PHN)88%
予防効果 9年以上持続。
<費用(自費診療になります)>
1 弱毒化生ワクチン;ビケン
接種回数;1回、値段7000円
2 不活化ワクチン「シングリックス」
接種回数:2回
1回目接種から2か月後に2回目の接種を行います。 2か月超えた場合,6か月後までに2回目の接種を終えることが推奨されています。
費用;1回あたり20000円、2回で合計40000円になります